2022年11月に講談社から発売された書籍「ゲームの歴史」は、岩崎夏海と稲田豊史が共著した全3巻の書籍です。
コンピュータゲームの歴史を分かりやすく、かつ網羅的に解説することを目標に、講談社の児童書レーベルである青い鳥文庫から出版されました。
しかし、発売直後からSNS上で内容の誤りが多数指摘され、講談社は4か月後の2023年4月に「事実誤認と情報元が確認できない箇所が多数見つかった」として販売を中止しました。
この記事では、「ゲームの歴史」が販売中止になった原因を解説します。
ゲームの歴史の間違い内容一覧
指摘された誤りの例としては、以下のようなものが挙げられます。
- コンピュータゲームの歴史を「1948年の『テニス・フォー・トゥー』から始まる」と記述しているが、実際には1958年の『オセロ』や1962年の『Spacewar!』の方が古い。
- 任天堂のゲームボーイが「世界初の携帯ゲーム機」と記述しているが、実際には1978年の『Microvision』の方が古い。
- ソニーのPlayStationが「世界初の3Dポリゴンゲーム機」と記述しているが、実際には1990年の『3DO』の方が古い。
また、ゲームのジャンルや開発者に関する記述も誤っているものが多く、専門家からは「内容が信頼できない」との批判が相次ぎました。
講談社は、販売中止の理由について「事実誤認の修正が困難であるため」と説明しています。
また、著者の岩崎夏海氏は、自身のブログで「事実誤認の責任はすべて私にある」と謝罪しています。
「ゲームの歴史」は、出版当時大きな話題となりましたが、その内容の誤りが大きな問題となり、販売中止という結果となりました。
この事件は、児童書の編集や校閲の重要性を改めて認識させるものとなりました。
ゲームの歴史の間違い原因一覧
書籍「ゲームの歴史」に誤りが多かった原因としては、以下のようなものが挙げられます。
著者の知識不足
著者の岩崎夏海氏は、ゲームライターとして活動していますが、ゲームの歴史については専門家ではありません。そのため、誤った情報をそのまま書籍に記述してしまった可能性があります。
編集・校閲の不備
書籍の編集・校閲は、著者の書いた原稿を誤りなく出版するための重要な作業です。
しかし、本書の編集・校閲には、ゲームの歴史に関する専門的な知識を持った人が関わっていなかった可能性があります。そのため、誤った情報がそのまま出版されてしまった可能性があります。
出版スケジュールの過密
書籍の出版スケジュールは、通常、数か月から1年程度かかります。
しかし、本書は2022年11月に出版される予定で、出版スケジュールは比較的タイトだったと考えられます。そのため、編集・校閲に十分な時間を割けず、誤りが残ってしまった可能性があります。
これらの原因が複合的に作用して、書籍「ゲームの歴史」に誤りが多くなったと考えられます。
販売中止になったゲームの歴史の入手方法は?
2024年現在、書籍「ゲームの歴史」の販売は中止されており、新品で購入することはできません。
中古市場では、まだ一部の店舗で販売されている可能性があります。また、メルカリやヤフオクなどのフリマアプリでも、出品されていることがあります。
ただし、中古品の場合は、内容の誤りがあることを十分に理解した上で購入するようにしましょう。
また、講談社は、発売済みの書籍を回収する予定はないとしています。そのため、個人で所有している書籍を譲り受ける方法が、現時点では唯一の入手方法でしょう。
なお、講談社は、今後、ゲームの歴史に関する新たな書籍を出版する予定があるとしています。
ゲームの歴史が学べるおすすめの書籍
ゲームの歴史が学べるおすすめの書籍をいくつかご紹介します。
- 日本デジタルゲーム産業史 増補改訂版: ファミコン以前からスマホゲームまで 単行本(ソフトカバー) – 2020/4/30 小山 友介 (著)
- ビデオゲームの語り部たち 日本のゲーム産業を支えたクリエイターの創造と挑戦 単行本 – 2023/9/8 黒川文雄 (著)
- ナムコはいかにして世界を変えたのか──ゲーム音楽の誕生 (ele-king books) ([テキスト]) 単行本(ソフトカバー) – 2023/8/29 鴫原盛之 (著)
- セガハード戦記 単行本(ソフトカバー) – 2023/7/3 奥成 洋輔 (著)
- ゲーセン戦記-ミカド店長が見たアーケードゲームの半世紀 (中公新書ラクレ 797) 新書 – 2023/6/8 池田 稔 (著), ナカガワヒロユキ (その他)
- ゲームラボ 2023春夏 雑誌 – 2023/6/21 ゲームラボ編集部 (編集)
自分の興味や関心に合わせて、最適な書籍を選んでみてください。